10月のはじめ、とあるテレビ局よりたかす写真館に1本の電話が入りました。お聞きすると古いVHSビデオテープのダビングのご依頼ですが、何やら事情があるようです。
後日、スタッフの方がご来店され、お持ちいただいたテープは……カビだらけ!!
「これはどうしたものか……。」ちょっと二の足を踏みたいような気持ちになりましたが、さらにお話しを伺うと、このテープの持ち主は駐日ジョージア国大使とのこと。
幼少期を東広島市で過ごされた大使の思い出のビデオテープで、おそらく中身は幼稚園の発表会ということですが、カビだらけで再生できず。他店にもダビングを相談してみたものの良い返事を得られず、たかす写真館に行き着いたとのことでした。
さらに来られたのはビデオを持参されたスタッフの方だけでなく、「テープをお渡しするシーンを撮りたい」ということでカメラクルーの方々も!ここまで言われたらもうお受けするしかありません。できるかどうかは……やってみないとわかりません!
預かったビデオテープをよく見ると、カビが生えて固まったように見えるのは主にテープの側面。テープ表面には所々にカビは見られるものの、何とか除去できるかも。
作業開始です。全ては手作業。まずケースのネジを外し、テープを取り出します。
一品ものなので、万一テープが切れたりしたら取り返しのつかないことになります。慎重に慎重に……終始緊張感を強いられる作業でした。
取り出したリールからテープを引き出しながら、カビ取りのために拭いていきます。テープがヨレないようにするために、二人がかりでの作業。120分テープを拭き終わるのに2時間余りかかりました。
拭き終わったテープは、40cm四方の段ボール箱いっぱいに。巻き取り作業は一人でできるものの、やはり1時間はかかりました。
無事再びケースに入れ、ネジを閉め終わったところでまずは一安心。
ここからは確認作業に移ります。パソコンとビデオデッキを繋ぎ、デッキにテープをセットして巻き戻し。変換アプリを起動して再生ボタンを押すと、画面に再生映像が映り始めました。
ところが、ある程度再生するとエラーが出てストップ。エラーが出るたびに作業が必要になるため、しばらく監視が続きます。
その後もデータの移行、容量の圧縮、DVDダビング作業などを経てようやく完成!出来たDVDを無事に再生できた時は、感動もひとしおです。
後日テレビ局へ連絡し、今度はお渡しの撮影。作業の際の苦労話などを聞いていただきましたが、「あのカビだらけのテープがまさかこんなにキレイになるとは!」と大変喜んでいただけました。
仕上がったDVDがジョージア大使の元へ届き、どんな反応をいただけるのか、とても楽しみです。
放送日時が決まった際にはまた告知いたしますので、ぜひご覧ください!